グッチ家の確執とファッション業界の変遷
レディ・ガガ主演の映画『ハウス・オブ・グッチ』は、グッチ家の人間関係とファッション業界の変遷に焦点を当てています。この映画は3時間近い長尺でありながら、多くの視聴者から高評価を得ています。特に、グッチが世界的ブランドとして生き残った理由や、高級ブランドが大衆化した要因について、翻訳者の実川元子さんが詳しく語っています。
日本と高級ブランドの関係性
1970年代に日本で第一次ブランドブームが起きた時、日本人はブランドが象徴する”クラス”を手に入れたかったとされています。実川元子さんは、当時フランスに留学していたときに、日本から来た団体客のためにグッチやエルメスのお買い物ツアーに付き添うアルバイトをしていました。その経験から、日本人はブランドのロゴがついているだけで価値が上がると感じていたと語っています。
ブランドの大衆化と日本の影響
日本人は高級ブランドの大衆化に一役買っています。90年代から価格帯を落としたセカンドラインが出され、高級ブランドの大衆化が始まりました。この流れは、グッチ家には理解できなかったようです。特に、二代目社長のアルドは非常に優秀なマーケッターでしたが、時代の流れを見抜けなかったとされています。
パトリツィア・レジャーニとの関係
映画では、パトリツィア・レジャーニ(レディ・ガガ)が、グッチ創業者の孫であるマウリツィオと結婚し、その後の確執が描かれています。実川元子さんによれば、パトリツィアはお金に非常に執着しており、その執着が破滅を招いたとされています。特に、彼女はマウリツィオ殺害を指示した罪で捕まった後も、刑務所でやりたい放題であり、その行動は理屈で測れないと語っています。
結論:日本のファッション業界への教訓
『ハウス・オブ・グッチ』から学べる最大の教訓は、ブランドの価値はその象徴する”クラス”によっても大きく影響されるということです。日本のファッション業界も、この点を考慮に入れ、ブランド戦略を練る必要があります。